こちらのページでは、
- リフォームをすれば高く売ることができるのか?
- 既にリフォーム修繕をしているので、査定価格に上乗せできるのか?
- 設備に不具合があるけど、査定前に修繕した方がいいのか?
という方に向けて、住宅の仲介を専門とする不動産会社に15年勤務していた常磐 誠司(ときわ せいじ)が、不動産会社側からの目線とお客様の目線の両方について解説しています。
よくある質問について
売却活動を行う中で、物件価値は高められるのかについての質問もたくさん受けます。
例えば、すでにされていたことで多いのは、
- 「ちょうど1年前に100万円するキッチンを入れ替えた」
- 「3年前に部屋の模様替えで総額80万円を掛けて床を全面張り替えた」
ですので、「その分の価値は考えてほしい!」という要望。
まだされていない内容で気にされていることが多いのは、
- 「まだ使えるんだけど古くなった設備は交換した方がいいの?」
- 「部屋の壁で、子供の落書きや喧嘩の時の凹み・割れなどは、補修した方がいいの?」
などです。
相談の意図としては、現在の建物の状態のままでプラスになるのかマイナスなるのかということですね。
過去にリフォームした箇所がプラスになるのか
過去にリフォームした箇所がプラスに繋がるかについては、売却を有利にするセールスポイントになることは間違いないですが、価格相場よりリフォーム箇所分を上乗せした売却価格で売り出しできるかどうかの判断では厳しいと思ってください。
過去に行ったリフォームで価値が上がるとすれば、
- 1台しか止めれなかった駐車場を2台止められるようにした
- 間取りを3LDKから4LDKに変更した
- 室内外を全面フルリフォームした
上記のような、大掛かりなリフォーム工事に限定されます。
リフォームをする必要性とは
不動産会社や売却サイトを見ると、【売却前のリフォームはしない方がいい】というのをよく見かけます。
確かに不動産の査定価格を調べる際、先に物件の状態を確認することはありません。
それよりも、土地や建物の面積と立地から相場を調べ始めるので、建物の状態の確認はその後の試算に査定額が反映されます。
最終的には建物の状態を確認し査定額を出しますが、リフォームすることで掛けた費用に対して同等以上の価値が上がることは、余程のことがない限りありません。
例:築28年の一戸建て 売却希望額 2,500万円 → リフォーム後 2,700万円で売出し
(状態:キッチン、浴室が古くて見た目が悪い)キッチン、浴室交換費:150万円
査定額2,500万円から200万円高くして売ることは、元の価格が予算内であったお客様への購入チャンスを逃してしまう恐れが出ます。
しかも、買い手の好みの問題もあり、このような考え方だけでは、リフォームすることはNOと言えるでしょう。
査定会社が考えていることは
査定会社が査定価格を算出するときに重要視するのは、地域の取引事例です。
良くも悪くも査定会社が考えていることは、
- 売却依頼を受けたいので、できるだけお客様の希望額に添える
- 取引が早くスムーズに進むであろう価格感で提示する
ことです。
上記を踏まえながら、お客様への対応を行っています。
肝心なのは売却をお手伝いする営業マンの目線
お客様の大切な財産を売却するにあたり大事になるのが、『物件を買いにくるお客様の目線に査定会社がなれるか』が大きなポイントになります。
お客様の自宅をセールスするにあたり、より高くより早く売却する為には、営業マンのトークだけではとてもじゃないですけど難しいのが実情です。
売却の為の希望価格や早期売却に大きく作用するような販売方法やアイデアをお客様へ提案できる査定会社が一番大事になると言えるでしょう。
その販売方法やアイデアの中にリフォームも含まれているのであれば、YESとなります。